監督:エドワード・バーガー
出演:レイフ・ファインズ、ルシアン・ンサマティ、スタンリー・トゥッチ、イザベラ・ロッセリーニ、カルロス・ディエース
これなんかも、よくできたエンタメ社会派映画ということになるんだろうが、文句しか出てこなくて、自分がただの頑固ジジイになっている気がしてくる。
この映画の美徳を一個上げるなら、絶対にピント送りをしないということだが、逆にこれなんかも、ゼロ年代のピント送りブームが終わって、逆にソフトフォーカスで異様に対象に接写したショットをインサートして、なんとなく雰囲気を高める、という流行りのスタイルの一貫という気もしてくるし、そもそも手前でパソコンを開くイザベラ・ロッセリーニにフォーカスしないというのもずいぶん変じゃないか。
あと、とにかく照明がモサーっとしていて、いかにもスマホ配信時代の画面という感じで嫌になってくる。階段の踊り場で作戦会議する場面だけコントラストが良く出ていたか。
あと、別に何も起きてないのに仰々しい音楽鳴らすのもやめてほしい。
話の展開としては、ちょっとキングの報酬みたいな感じもあるけれども、まぁなんか気の利いた小説を映画化してみました、みたいな感じですね。
最後にレイフ・ファインズが「見上げる」ショットのあとに、その対象を見せない、という演出があるけれども、そしてこれはその直前の破れたガラスを「見上げる」ショットと対照を成しているようにも見えるんだけど、でもこの「見せない」というのも、あくまで物語的な「謎」でしかないように思う。
★★★★★☆☆☆☆☆