監督:ヤン・ホロベック
ポーランド映画は面白い。と、今さら言うことでもないのだが、ポーランドの歴史が大国のせめぎ合い、東西イデオロギーの衝突の歴史であるために、韓国映画が面白いのと同様にポーランド映画も面白い。ざっくり言えば、「おそロシア」という強烈なキャラがあるのが強い。数年前の日本のポーランド映画祭で上映された娯楽大作『ソリッド・ゴールド』もめちゃくちゃ面白いのだが、最終的にロシア・マフィアが出てきて全部始末してしまう、という展開がさすがポーランド映画なのであった。
この映画も、面白い物語だ。実話をベースにしているというが、まぁ冷戦時代はこんな話ばっかりだろうという感じがする。凄い時代である。撮影も快調で、汽車、レンガの家、雪の風景が重厚さをたたえる。
しかしこの映画はつまらない。どんなに美しい撮影も、しょせんは物語のお飾りでしかないからだ。