さて、ジョージ・イーストマンの生家が博物館となっているEastman Houseには、Dryden Theaterが併設されており、週5日にわたって所蔵フィルムによる上映が行われている。
今週から火曜日はサイレント・チュースデーということで、サイレント映画の上映が行われる。ちいなみにシアターのキュレーターによるピアノ生伴奏つき。今後はキートンのほか、ドライヤーの上映も予定されている。
さて、本日のキートン2本立てだが、5-60人は入っていたような気がする。ここはニューヨーク州とはいえど、人口20万人にすぎぬ田舎町。もちろん毎度これだけ入るというわけではないのだが、それでもこの熱気には驚かされる。ご高齢のカップルが多いが、若い衆もちらほら来ていた。
Copsはマジで何の肩書きも明かされぬ青年キートンが、ただただ物事の連鎖に巻き込まれて、警官達に追いかけられるという短編映画。梯子を使ったシーソーなどどうやって撮ってるのかわからぬアクロバティックなアクションも凄いし、全体のエキストラの量に圧倒される。警官達が建物に次々と入っていく画なんて、本当に実写なのか?と思うような、サザエさんのエンディングのように建物が揺れてるんじゃないかと錯覚するような、とにかく凄いインパクトだった。
Seven Chanceは(舞台が元になっていることもあり)いくらか物語があって、19時までに花嫁を見つけるというタイムリミット・サスペンスをベースとしているから、前半はわりとスローペースなのだが、花嫁姿の女性達が大集結してからの追走劇は、Copsをさらに超えるハチャメチャぶりで、こんなのよく撮ったなと思う。とにかく凄い。前半と後半のギャップが尋常ではない。
ただ、Seven Chanceには一個、とんでもない人種差別描写がある。