1948年製作 DCP上映
監督:ジュールス・ダッシン
撮影:マーク・ヘリンジャー
版権が次々に変わったりといった事情で、ネガフィルムはかなり状態が悪く、しかも長らくオリジナルフィルムが見つかっていなかったらしいが、ニトロフィルムが見つかってそれを4Kリストアしたとのこと。
"There are eight million stories in the naked city. This has been one of them."というナレーションで終わる映画。この決まり文句が、この映画にインスパイアされて製作されたTVシリーズで毎回使われたらしい。路上の新聞紙が塵取りに入れられるのを捉えたカメラがそのまま引いて街の全景を映す、というお手本のようなエンディングショットで、あぁ20世紀、、と感慨に浸ること間違いなし。
いろんな人がいるニューヨーク、眠らない町ニューヨークの深夜1時に、ブロンドのモデルが殺される。映画はその殺人事件の捜査をフォローしていく。ダン刑事を演じるのがバリー・フィッツジェラルド。かなりユーモラスに描かれていて、警察や解剖医とのやりとりでもいちいち冗談や小突き合いがある。ときどきパンフォーカスと思われるショットで、上階と地上、奥と手前の空間的対比が強調されるが、基本は室内の対話(尋問)劇が中心になっている。ということで、演出の肝は40年代ハリウッド映画のあの手この手の「デクパージュ」と軽快な会話劇ということになるが、マンハッタンのロケーションで撮られた屋外のシーンこそが、この映画の「歴史的意義」であろう。実際、終盤の展開、ショット構成などは、フレンチコネクションなどの70年代のクライムものを想起せずにはいられない。