監督:エヴァン・ジョンソン、ガレン・ジョンソン、ガイ・マディン
出演:ケイト・ブランシェット、ロイ・デュピュイ、ドゥニ・メノーシュ、アリシア・ヴィキャンダー(!)
G7に参加した首脳が森のなかで外部とのコンタクトを失い、奇想天外な出来事に巻き込まれて、アポカリプティックな雰囲気が出てくるという感じのブラック・ファンタジーと言えば良いか。仰々しい予告編で懸念したほどセンセーショナリズムに毒されていないのは好感を持ったが、逆にこれといった見せ場もないまま終わっていった・・・。まぁ結局G7が変に活躍しても(世界を救っても)、変に世界を代表しても(彼らの終わりとともに世界が終わる)、先進国中心主義の謗りを免れないであろうから、結局このような中途半端なスケール感と曖昧な帰結になるのが必然なのかもしれない。G7ものといえば、『修道士は沈黙する』という異常につまらないイタリア映画があったが、それよりは俗っぽくて楽しめる。
G7といいつつ、カナダ映画なので、カナダの首相のエピソードが意外にも中心を占め、アメリカのバイデンを模したような年寄り大統領はただただ年寄りであり、日本の首相もイタリアの首相も、あんまり見せ場がない。せっかく7人もいるので、複数視点で色々と織り成されていくのかと思ったが、そうでもない。なんかよくわからんので、評価なし。
あと、英語ネイティブのケイト・ブランシェットが「英語が上手なドイツ人」を演じていて、それがめちゃくちゃ上手いのだが、そんなのが上手くてどうする、と思った。
上映後のトイレで会ったお爺さんとの会話。
爺さん 「全員60歳以上だと思ったけど、君は若いな」
私「そうですね。映画どうでしたか?」
爺さん「面白かったよ。昔のスウェーデン映画は、こんな感じのダークファンタジーが多いんだけど、そういうのを思い出したよ。」
私(そ、そうなんだ・・・。)